末期の水って…そもそも何?

2015/04/16

昨日書いた「水盃」の話の中で「末期の水」という言葉を挙げました。

これに関して知人から「そもそも末期の水って何?葬儀でなんか関係あんの?」と聞かれましたので、ちょろっとご説明。

末期の水とは元々臨終間際の人(死にゆくもの)にこの世での最後の水として口に含ませてあげるものでした。

由来は仏教で、仏典『長阿含経』の中に「末期の水」の話がのっているそうです。※僕は見たことないんですが…

これによると「末期を悟られた仏陀は弟子の阿難に命じて、口が乾いたので水を持ってきて欲しいと頼んだが、阿難は河の上流で多くの車が通過して、水が濁って汚れているので我慢して下さいと答えた。しかし口の乾きが我慢できない仏陀は『拘孫河はここから遠くない、清く冷たいので飲みたい。またそこの水を浴びたい』と再三阿難にお願いした。その時、雪山に住む鬼神で仏道に篤い者が、鉢に浄水を酌み、これを仏陀に捧げられた」と記されているそう…

で、これが仏典にある「末期の水」の由来だそうです。

まぁ由来は由来で、臨終間際の人に水をあげるというのも今ではほとんどないんですね。

現代では、故人に対して家族が枕元に寄って順番(喪主・配偶者・子・両親…の順)にその口許を水でうるおすことを「末期の水」あるいは「死(に)水」をとるといいます。

本来亡くなってすぐが良いと言われていますが、なるべく親族全員が集まれる日が良い等の希望もあり、葬儀までの間に湯灌やメイク・着替えの予定を組み、親族が集まって行われます。

作法としては箸の先に脱脂綿を巻いて糸でしばり、それに水をふくませて軽く口を湿らせ、死者の命が蘇ることを願って行うんですね。

私もこの儀式は無くなってしまった大切な人に何かをしてあげたいという遺族の心情に最もふさわしい儀式の一つではないでしかと考えています。

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